飲食店のレイアウト・厨房設計の基本
席配置で売上が、厨房動線でオペ効率が、換気計画でクレーム率が変わります。席配置 × 厨房動線 × 換気・給気を軸に、失敗しない設計の考え方をまとめました。
席配置の基本と回転率
売上=席数 × 回転数 × 客単価。席数だけを増やすと通路幅や居心地が悪化して回転が落ちます。目安は以下。
通路・席間の目安
- メイン通路:90〜120cm(2人すれ違いOK)
- 席間(テーブル):80〜90cm
- カウンター奥行:45〜55cm+脚スペース
- 客席照度:昼300〜500lx/夜200〜300lx
席構成の考え方
| タイプ | 強み | 注意 |
|---|---|---|
| カウンター多め | 回転率↑/省スペース | 滞在短/団体弱い |
| テーブル中心 | 客単価↑/滞在↑ | 回転↓/席効率↓ |
| ミックス | 汎用性↑ | 動線計画が重要 |
厨房動線(仕込み〜配膳〜下げ)
動線は逆算が鉄則。提供の最終工程→加熱→下準備→保管→受入の順にレイアウトを組みます。
基本フロー
- 納品・検品(搬入経路とバックヤード)
- 保管(冷蔵/冷凍/ドライ)
- 仕込み(シンク・下処理・作業台)
- 加熱・調理(コンロ/フライヤー/オーブン)
- 盛付・提供(カウンター/配膳導線)
- 下げ・洗浄(下膳→洗浄機→乾燥→保管)
ボトルネック対策
- 配膳と下げの一方通行化(交差しない)
- 洗浄機付近の濡れ動線を客導線から分離
- フライヤー横は耐熱・防火・換気を強化
- 盛付場にサブ冷蔵(トッピング系)
厨房ゾーニングの原則
清潔ゾーン/準清潔ゾーン/汚染ゾーンを明確に分離。交差を避ける配置が基本です。
ゾーン例
- 清潔:盛付・保冷ショーケース
- 準清潔:仕込み台・下処理
- 汚染:洗浄・残渣保管・ゴミ置場
水回りの距離感
- 手洗い器:提供動線上に最短距離で配置
- 3槽シンク:下処理・洗浄・すすぎの動線順に直線配列
- 床勾配と排水:滞留水ゼロを前提に計画
換気・給気と熱対策
排気だけ強いと店内が負圧になり扉が開かない・臭気逆流などの不具合が出ます。排気量に対して計画給気を。
フード種類の目安
| フード | 用途 | ポイント |
|---|---|---|
| 整流板付き | 一般加熱 | 捕集効率と清掃性のバランス |
| 水洗式 | 高温・多油煙 | グリス対策・清掃容易 |
| アイランド | 中央厨房 | 給気とセットで計画 |
熱ストレス対策
- 給気口は作業者背面へ(風が直接当たらない)
- 空調は加熱機器から離す・風向制御
- フード前面温度上昇へ局所換気を追加
カウンター設計の勘所
- 奥行450〜550mm/肘掛有は回転率↓だが単価↑
- 足元クリア700mm以上/フットレストで滞在快適性↑
- 対面提供は盛付・ドリンク・会計を一直線に
客導線・スタッフ導線の干渉回避
入口〜席〜トイレ〜会計を8の字にしない。出口の視認性と最短距離を確保。
やりがちな失敗
- トイレ前に待機列ができる導線
- 下げ動線が配膳動線と交差
- 会計前の滞留スペース不足
回避策
- 入口から客席まで直線視認を確保
- 配膳と下げは右回り/左回りで分離
- 会計前に1〜2名分の待機スペースを設置
レイアウトチェックリスト
- 席数を増やしても通路幅は確保できている
- 配膳と下げの動線が交差しない
- フード種類と排気量に見合う給気がある
- 手洗い器の位置が実運用に合っている
- 洗浄機周りの床が滑りにくい・水はけ良好
- 盛付場にサブ冷蔵・作業台の奥行が足りる
- 会計前の待機スペースがある
- 視認性(看板・入口・店内の見え方)が良い
図面や現場写真をLINEで送ってくれれば、簡易チェックをお返しします。


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