最終更新:2026-01-11
小売店の開業ステップ⑨
売上データ分析と改善サイクル
お店を続けていくほど、「なんとなく当たった」「たまたま伸びた」が通用しにくくなります。
逆に、数字を味方にできると、打ち手の精度が上がって気持ちも落ち着きます。
ここでは小売店で使いやすいデータの見方と、改善の回し方をまとめました。
難しい分析ではなく、日々の運営にそのまま落とし込める形にしています。
1. まずは5つのKPIだけ押さえる
いきなり全部の数字を追うと、逆に混乱します。
最初は「売上の中身が分かる指標」に絞るのがコツです。
目安はあくまで参考で、まずは自店の推移を見ていくと判断しやすくなります。
| 指標 | 意味 | 見方のポイント |
|---|---|---|
| 客数 | 来店した人数 | 曜日・天候・イベントでブレるので「比較」が大事 |
| 客単価 | 1人あたりの平均購入額 | セット提案・導線・POPで上げやすい |
| 購買率 | 入店者のうち購入した割合 | 入口の印象と売場の分かりやすさが効く |
| リピート率 | 再来店した顧客の割合 | “次回来店の理由”を作るのが近道 |
| 原価率 | 売上に対する仕入コスト | 売れ筋の粗利を守る設計が重要 |
現場あるある
「売上が落ちた」と言うと大きすぎて動けなくなります。
でも「客数が落ちたのか」「客単価が落ちたのか」に分けると、打ち手が自然に見えてきます。
2. 日次・週次・月次で“見る場所”を分ける
全部を毎日チェックすると疲れます。
役割を分けて、確認するタイミングを固定すると続けやすいです。
売上・客数と「天候」「イベント」「入荷」を一言メモ。
商品別売上と在庫回転。売場の当たり外れが分かります。
利益率・広告の反応・人件費のバランスをまとめて確認。
ここで大事なのは、「完璧な集計」よりも「同じフォーマットで続ける」ことです。
1枚のシートにまとめるだけでも、改善点が見えやすくなります。
【日次メモ例(30秒でOK)】
・売上:____円 客数:__人 客単価:____円
・天候:晴/曇/雨 気温:__
・入荷/欠品:________
・気づき:________(例:入口POPを変えた、試食が出た など)
3. 使いやすい分析ツールの組み合わせ
ツールは「高機能」より「続くかどうか」で選ぶのが正解です。
ひとまず下の組み合わせがあれば、多くの小売店は十分回せます。
- Googleスプレッドシート:売上と在庫のメモを一元化
- POSデータ:商品・時間帯・スタッフ別の傾向を見る
- Googleビジネス:閲覧数・経路で“集客の変化”を確認
- LINE公式:配信→来店の流れを数字でつかむ
はじめは客数→客単価の順がおすすめです。
客数は外部要因で動きやすいので、週次で比較すると落ち着いて見られます。
客単価は売場・提案・セットで改善しやすく、手応えが出やすいです。
4. 改善サイクルは「小さく・早く」が続く
改善は、派手な施策を毎回やる必要はありません。
小さく試して、翌週に確認して、当たったら広げる。
この回し方がいちばん強いです。
- 問題を分解:「売上」ではなく「客数」「単価」などに分ける
- 仮説を立てる:天候・品切れ・導線・見せ方を切り分ける
- 対策を一つだけ:値引きより“見せ方”や“導線”を先に
- 検証してメモ:翌週の数字で確認して残す
月1回のふり返りができると、改善が積み上がります。
結果が思ったより出なかった月ほど、次に活かせるヒントが増えます。
5. 実例:数字から打ち手が決まったケース
どれも、特別なことをしたわけではなく、数字の“見方”を揃えただけです。
小売店は改善の余地が見つかりやすいので、コツを掴むと早いです。
- 特定曜日の客数が弱い → その曜日だけLINE配信を固定して来店が増えた
- 原価率がじわっと上がる → 売れ筋の粗利を守る棚づくりに変えた
- 目玉商品が埋もれる → POPの言い回しを変えて手に取られやすくなった
図面がなくても、写真と寸法で大丈夫です
「まず何を測ればいい?」という段階でも問題ありません。
現地の写真とおおまかな寸法があれば、概算と工程の目安をお戻しできます。
小売店は、売場の作り方ひとつで数字が動くので、気軽に相談してみてください。
※紹介先の施工パートナーが同席して進める場合があります(事前にご案内します)。

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